吊り橋効果とは恐怖や緊張からくるドキドキ感を一緒にいる異性への恋と勘違いしてしまう心理効果のことです。
一般的に「好き」という感情は出会って好意をもち、その後にドキドキするという経路だと考えられています。
ドキドキするといる感情の解釈をすり替えるという理論なのです。
つまり緊張する状況になってドキドキする、それが「好き」という間違った認知に誘導されることが吊り橋効果なのです。
吊り橋効果の実験

吊り橋効果を実証する実験は、カナダの社会心理学者ドナルド・ダットンとアーサー・アロンによって行われました。
18歳~35歳の男性を集め、揺れる吊り橋と揺れない頑丈な橋の2ヶ所で実施しました。
男性に橋を渡ってもらい女性がアンケートと称して声を掛けます。
そして「アンケート結果が知りたいのであれば後日電話をください」と言い連絡先を渡します。
後日電話をかけてきた人数を見てみると、頑丈な橋を渡った男性は少数だったのに対して、揺れる吊り橋のほうは多くの男性が電話をかけてきたのです。
この結果から吊り橋をいう不安定な状況が不安を好意と勘違いさせたと推論されました。
なぜこのようなことが起こるのか

吊り橋効果はドーパミンの影響を受けていると考えられています。
ドーパミンとは嬉しいことなどがあると分泌され、快感のホルモンと呼ばれ、この分泌が多いと人間は行動に移しやすくなります。
一般的には心拍数が上がるとドーパミンが分泌されてドキドキすると言われています。
そこで「ドキドキする」⇒「ドキドキの原因」を考えると今の状況にドキドキした勘違いする現象が起こります。
つまり恐怖などが原因でドキドキしているにも関わらず恋愛や楽しさからくるドキドキと勘違いしやすくなるというのが吊り橋効果の本質と言えます。
吊り橋といるシチュエーションでなくてもドキドキする状況であれば吊り橋効果が起こりやすいと言えます。
ビジネスで使える吊り橋効果

危機を作りチームでそれを乗り越えることで関係が強化される。
ビジネスでは上司を説得し納得させる必要があります。
その中で部下たちはプロジェクトを成功させる為に、「上司からの了解がえられるのか?」緊張や不安を感じるのです。
そしてその説得を出来たとということで一皮剥け、チーム内の関係を強化できるのです。
キャッチコピーに取り入れる
吊り橋効果はキャッチコピーでも活用できます。
怖い思いや不安を感じている時はもちろん困難を乗り切った時に抱く達成感・連帯感は消費の共感を生みます。
「厳しい環境に耐え残った果実」といったようなキャッチコピーは人々の共感を抱かせるためには最高なのです。
まとめ

吊り橋効果はドキドキしている状況を異性への恋のドキドキと勘違いして起こる心理効果。
人間の脳は意外と単純に出来ており吊り橋でドキドキしていると恋をしているのを勘違いしてしまいます。
人間のドーパミンというホルモン分泌によってこのようなドキドキが起こります。
ドーパミンは快感のホルモンで人間を行動へ突き動かすとても強力な脳内物質。
このような心理効果をしっかり使いビジネスの場でも使っていきましょう。