ローボールテクニックとは全体的に魅力的な条件をはじめに提示し受け入れさせた後に理由をつけて
その魅力的な条件の一部を取り除いたり、相手にとって都合の悪い行動を追加したりする手法の事です。
ローボールテクニックという名前は「相手がうけとりやすい低いボールから投げる事」に由来しています。
「承諾先取り法」とも言います。
ローボールテクニックの実験

アリゾナ州立大学のロバート・チャルディーニ名誉教授が63人の学生に対して行った、オハイオ州立大学で心理学入門講座を受講している学生に思考過程に関する研究に加わるようにローボールテクニックを使って実験の参加を募った場合と、ローボールテクニックを使わずに実験への参加を募った場合の参加に承諾する確率を比較するというもの。
第一のグループには開始時刻が朝7時である事を告げました。
このグループでは承諾率がたったの24%しか参加を申しでてくれませんでした。
第二のグループに電話するとこにじゃ「ローボールテクニック」と用いました。
思考過程に関する研究に参加したいかどうかを尋ね、その後に朝7時から開始するという事を伝えもう一度参加の意思を尋ねる。
するとこのグループでは56%が参加の意思を示した。
しかも「ローボールテクニック」を使われた学生95%が自分の行った参加表明を守って約束通り朝7時に心理学棟までやってきたのです。
ローボールテクニックを使用するときの注意

ローボールテクニックは相手をだます行為に近い手法です。そのため「ローボールテクニック」を活用する際には相手から恨みを買わぬように注意が必要です。
利害関係が絡むようなお願いにはその恨みが残ってしまう場合もあり、相手での不信感や今後の会話などにも影響を及ぼす場合があります。
自分の罪悪感なども後に残ってしまう場合もあり、今回の実験のような後々に遺恨の無いようなお願いを「ローボールテクニック」を使用してみるといいでしょう。
ローボールテクニックがなぜ有効なのか?

ローボールテクニックはが有効な理由は人間の「一貫性の法則」という心理法則で説明できます。
「一貫性の法則」とは行動、信念、態度など一貫させたいという人間の心理です。
人は言っている事と行動を一貫している人を信頼する傾向にあります。
言った事とやっている事が違っていると信用されません。
なので他人から信用されるためには自分の言ったことはしっかり守るといった性質が働く為このような「承諾先取り法」が有効なのです。
恋愛、会社で使えるローボールテクニック

まず意中の女性とデートがしたい場合にその女性に共通の友人も入れて「3人で遊ばない?」と誘います。
その女性に承諾をとり、その数日後もしくは遊ぶ前日にその友人が来れなくなったらしいから2人で遊ぼうとお願いする。
女性は一度承諾している為、断るのが申し訳ないといる心理が働きその誘いを承諾する。
ローボールテクニックとフットインザドア、ドアインザフェイスの違い

フットインザドアはまず小さい要求を承諾していき次第に大きな要求をお願いしていく行為です。
ドアインザフェイスは大きな要求を断られてから罪悪感を抱かせて小さな要求をお願いする行為です。
ローボールテクニックは相手にとって悪条件などを隠しておいて承諾を得てから開示する行為です。
詳しく知りたい方はこちら
https://mezashiblog.com/footinthedoor/
ローボールテクニックはドアインザフェイスと併用すると効果絶大

部下に仕事を頼む際に内容を伝えずに「手伝ってくれと」と頼みます。
承諾をもらってから普通ではありえない仕事量を頼みます。
これを部下からの嫌悪感が無いように頼むには。
部下に仕事を頼む際に内容を伝えずに「手伝ってくれ」と頼みます。
承諾をもらってから実際に手伝ってもらう仕事量よりかなり多い仕事量をお願いします。
あまりにも多いので「やっぱりこの量で」と本来手伝ってほしい仕事を手伝ってもらう。
元々の仕事量がかなり多いと、普通なら多いと感じる量でも少ないと感じて手伝ってもらいやすくなります。
しかも部下からはこんな仕事量をこなさなといけない上司は大変だなと思い手伝ってやってもいいだろうと感じさせる事ができます。
まとめ

ローボールテクニックという「承諾先取り法」があり、承諾を受け入れさせて後に一部条件と取り除いたり、悪条件と追加するテクニックがある。
ローボールテクニックには人間の「一貫性の法則」が作用して、承諾してしまう心理
ローボールテクニックには相手が騙されたと感じる事がある為、注意が必要
ローボールテクニックとドアインザフェイスを併用するととても良い頼みごとができる。