営業など人と接する機会が多い仕事にいる場合どのようにして打ち解ければいいかわからない
と思う人も少なくないでしょう。
自分の思ったように人が動いてくれるととても気持ちがいいものです。
今回は人に自分の思ったように動いてもらうテクニックを紹介します。
この記事を読む事で人の心理の入口を知り、動いてもらう為のテクニックがわかります。
フットインザドア

フットインザドアとは訪問販売時に「お話だけでも」とドアに足を挟み込む手法が由来となっています。
人間には一貫性の法則という原理が働きます。
一度「イエス」と自分自身で言ってしまうとそのイエスを覆し「ノー」と答えにくくなってしまいます。
人は言動と行動に一貫性がある人が「信頼がおける人」と無意識に思ってしまいます。
たしかに自分の言っている行動と行っている行動が違っていればその人は信用できないしウソをついていると思ってしまいますよね。
この一貫性の原理を利用する方法はまず、小さいイエスをもらうことなのです。
相手にとってイエスを重ねれば重ねるほど少し大きな要求でもイエスを引き出しやすくなるのです。
イエスを言わないと一貫性が無い人とレッテル貼られる可能性があるとつまり「信用のおけない人」という判断をされてしまうと相手は思い込みます。
そうする事で多少大きな要求にもイエスと答えてしまうのです。
日本では「段階的要請法」とも呼ばれています。
フットインザドアに関する実験

1966年スタンフォード大学の社会人心理学者ジョナサン・フリードマン氏とスコットフレイザー氏はフットインザドアテクニックの実験を行いました。
「安全運転の看板を家の庭先に立たせてほしい」と依頼したところいきなり本題に入った時の承諾率は16.7%だったものの二週間前にした別の小さなお願いをしてもらったあとでは47.4%にも上がりました。
二週間前の小さなお願いとは7.5cm四方の「安全運転しよう」と書かれたステッカーを車のフロントガラスか家の窓に貼ってくれませんか?というものでした。
このお願いに「いいですよ」と答えた住民は「私は公共心のある人間だ」ということは自分でしっかり公共心を意識したことになります。
そこで次に出された公共に関する大きな要求にもOKしやすくなったと考えられます。
なぜなら「安全運転しよう」のステッカーは受け入れたのに「注意深く運転しよう」の看板を拒否しては私は公共心のある人間だという一貫性を保てなくなってしまうからです。
要求の幅は多きすぎないほうがいい

この実験でいきなり大きな要求をすると相手は「NO」が出やすくなってしまいます。
小さい要求にして「YES」を引き出す事が大事です。
例えば
財布忘れたから1000円貸して
いいよ
ごめん1000円じゃ足りなさそうだからやっぱり5000円貸して
というお願いには「YES」が引き出しやすいでしょう。
しかし
財布忘れたか1000円貸して
いいよ
ごめん1000円じゃ足りなさそうだから5万円貸して
というお願いにはやはり「YES」は引き出しづらくなるでしょう。
ドアインザフェイス

ドアインザフェイスはは本命の要求と通す為にまずは過大な要求を提示し相手に断られたら小さな(本命)の要求を出す方法です。
まず無理だと割っておきながら大きな頼み事をします。
当然断られますが断った相手は少なからず罪悪感が生じます。
そこで次に小さな頼み事をしてみるとその罪悪感を解消する為にそのくらいならと承諾してもらえるのです。
これは「譲歩的請法」とも呼ばれています。
ドアインザフェイスの実験

アメリカの心理学者でアリゾナ州立大学教授のチャルディーニによる実験。
キャンパスで歩いている大学生を呼び止め2年間の青年カウンセリングプログラムへの参加をおねがいしましたがボランティアの為ほぼ全員が断わりました。
一つ目の要求
そこで今度は一日だけ2時間ほど動物園に連れて行くことを手伝ってもらえるようにお願いしたところ50%程の学生がOKしてくれました。
二つ目の要求
一つ目の要求無しで二つ目の要求と伝えた時には17%の学生しか承諾してくれませんでした。
ドアインザフェイスの具体例

会社での例
締め切り書類の提出を上司がお願いする場合
作業が多い書類の提出で約1週間程かかるとしましょう。
まず絶対に無理なお願いをします。
「明日までのこの書類を提出してほしい」
すると間違いなく無理なお願いなので部下からは
「それは無理です」と答えます。
そしてすかさず5日で提出をお願いと頼むと
「それなら出来ます」という回答が返ってくるのです。
恋愛での例
意中の相手がいる場合に
デートに誘うのが目的だったとして
いきなり「来月旅行にでも行かない?」
と誘ってみます。
すると「さすがに旅行はちょっとむりかな」という回答が返ってきます。
そしてすかさずなら食事に行こうと誘います。
すると食事くらいならと「いいよ」という回答が返ってくるのです。
頼み事をする際の注意点

ドアインザフェイスで頼み事をする際に注意したいのは
断れる頼み事をした際にあまり間を開けずに小さなお願いをすることが大事です。
相手に罪悪感が残っているうちが良いのです。
罪悪感が消えてから小さいお願いをしても断る事が普通になってしまうと相手から自分に対して
嫌悪感が残って先々もその印象になってしまいます。
一つ目のお願いは無謀すぎる要求はNGです。
相手が受け入れる可能性もゼロではないが断られる可能性がかな高い要求が大事です。
最初のお願いがあまりにも突拍子の無い事だと相手はあなたに敵意をもち小さなお願いですら断られて
しまういます。
敵意が出てしまうと関係自体が悪くなりせっかくのお願いどころではなくなってしまいます。
まとめ

フットインザドアは小さな要求を重ねていくことでイエスを引き出しやくすなる要求の事
人間には一貫性の法則が働いてイエスを重ねていくと少し厳しいお願いにもイエスを言ってしまう性質がある。
ドアインザフェイスというお願いの仕方がある、最初に無理なお願いをする事によって罪悪感を抱かせて小さなお願いを聞いてもらう要求方法
どちらも上手に使いこなすことによって自分の要求をしっかり呑んでもらう事が出来ます。
人間関係において上手に使いこなしより良い人生にしたいものです。