スリーパー効果

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スリーパー効果とは「信頼できない情報源から得た情報でも、時間が経つことで情報源の不信感を忘れて、情報への信頼性が高まっていく」という心理効果です。

情報源の信頼性が忘れられてしまうことで(眠る)といる意味からスリーパー効果と呼ばれています。

聞いたことを、誰に聞いたという出所が曖昧な情報を「誰に」をどんどん忘れ、聞いたことが独り歩きし、そのきいた事が信頼性を持ってしまいます。

米国のカール・ボブランド(1912-1961)によって提唱されました。

時間とともに情報源の正しさが眠ってしまうことにちなんでなづけられました。

目次

スリーパー効果の実験

「抗ヒスタミン剤」(アレルギーを抑える薬)は「医者の処方がなくても販売されるべきですか」といった題材の賛否記事んいついて、被験者である学生には自分の意見とは反対の記事を読ませました。

  1. 賛成意見の学生⇒否定的な意見の記事を読ませる
  2. 反対意見の学生⇒肯定的な意見の記事を読ませる

そのどちらの意見の人も一緒に読ませて、後に2つのグループに分けて読ませた記事の情報源の説明をしました。

  • Aグループには信頼性の高い生物医学者の情報だと説明
  • Bグループには信頼性の低い大衆月刊誌の情報だと説明
実験結果

信頼性の高い情報源だと説明されたAグループの学生は23%が自分の意見を変えました。

一方信頼性の低い情報源だと説明されたBグループの学生は7%しか意見を変えませんでした。

単純に信頼性の高い情報源は記事は信用されやすく、信頼性の低い情報源の記事は信用しずらいという結果でした。

しかし1ヶ月で情報源の記憶は薄れます。

実験の4週間後にもう一度、意見が変わったかどうか尋ねると、2つの記事の信頼性の差はほとんどなくなっていました。

  • 信頼性が低いと感じた情報⇒時間とともに信頼性が上がった
  • 信頼性が高いと感じた情報⇒時間とともに信頼性が下がった

実験から4週間経ったことで、記事の内容と情報源の信頼性が分離したと考えられる結果です。

なぜこのようなことが起こるのか?

人間というのは情報そのものよりも、情報源だったり「良い、悪い」「好き、嫌い」「誰が言っているか」などで判断しがちなのです。

(成功している人だから正しい、テレビで言っていたから正しいなど・・・)

または信頼していないAさんが言っていたのだから適当なのではないか。

など信用していない人は信じようともしません。

時間の経過で情報の内容だけが残り

「情報の内容」と「情報の提供者」が別々に分離されて「内容」のみが残ることでAさんが言っていた情報の信用度が上がり信憑性が出てきます。

一方成功している人やテレビでやっていたからといっても聞いた直後よりは打って変わって情報の信用度は下がってしまいます。

ビジネスでも使えるスリーパー効果

ビジネスの世界でもこの効果をわかって交渉ごとや営業をしている人は少ないでしょう。

交渉の段階でトークの技術はあるものの、言っている内容自体はまず誰が言ったかで受け取り手は判断します。

特に新人の営業マンが商品を売り込みに行った際に、内容が良くてもなかなか取り合ってもらえません。

しかし心にしっかり残るようなプレゼンさえ出来れば相手には「内容」が残り、誰が言っていたかよりはその「内容」に惹かれてちゃんとした成果を出すことが出来ます。

このスリーパー効果は情報源が時を経つごとに薄れてプレゼンの信用度が上がる効果なので少し時間を要します。

今日一日で「玄人の営業マン」になるのは厳しいでしょうが若いうちはしっかりした「内容」と相手に伝える技術を磨くようにすれば、営業技術も上がり、年数が経っていけば成約率は見違えるほどに上達しているでしょう。

まとめ

スリーパー効果をいう心理効果は「信頼できない情報源から得た情報でも時が経つにつれて情報源の信頼が高まっていく」ことです。

「情報の内容」と「情報の提供者」は最初は情報の提供者の方が重要だが時間が経つほどに情報の提供者の信頼度は薄れていき情報の内容が残り信頼度が上がっていく。

信頼がおける情報源では時が経つにつれて信頼度が下がっていき、また逆に信頼がおけなかった情報源では時が経つにつれて信頼度が上がっていく。

人間の心理をしっかり理解し日常生活、またはビジネスにも取り入れていきたものです。

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