ゲインロス効果とは、マイナスの印象からスタートすると、後に、プラスの印象が見えたとき、よりプラスの印象を大きく感じるという心理効果のことです。
人には印象のプラスとマイナスの変化が大きいほど、人の心は大きく影響を与えるもの、最初からプラスの印象だったときその後プラスの印象を与えても予想通りとしかならずに通常の印象で終わります。
しかし最初がマイナスだった場合は同じプラスの印象を与えたとしたら「最初が嫌な人だと思ったけど」というギャップが生まれてくることによって振り幅が大きくなりプラスの印象が大きくなるのです。
例えば
- チャラそうなのに一途で自分を大事にしてくれる
- 強面なのに優しくて喋りやすい
- 普段は少しダサく見えるが私服はめっちゃオシャレ
- 適当そうな人なのにとても仕事熱心で真面目
これらは最初はマイナスのイメージからスタートして実際の人間性がプラスに傾いたときにギャップとなり魅力的に見えてしまいます。
この心理効果がゲインロス効果なのです。
ゲインロス効果の実験

アメリカの心理学者であるアロンソンとリンダーが行った研究で被験者の女子学生に、ある男子学生と面談をしてもらった。
その時に男子学生は女子学生に与える印象として4つのパターンで接してもらいました。
A、最初から最後まで高評価を与える(終始笑顔でいる)
B、最初から最後まで低評価を与える(不機嫌でいる)
C、前半は高評価でいて後半は低評価でいる
D、前半は低評価でいて後半は高評価でいる
Aの学生が一番印象が良いようですが、Dの学生が一番評価が高ったそうです。
またCは最も低い評価だったそうです。
これは近年でも「ギャップ萌え」という言葉が流行っているように現代でも使える心理効果なのです。
どんなシチュエーションにおいてもギャップというのは人の印象を操作するにはとても効果があるのです。
気をつけておきたいゲインロス効果の注意点

ゲインロス効果を上手に使えば相手の印象を操作して良い印象をあたえることができます。
しかしながら逆の印象も強く残るということを覚えておきましょう。
最初に良い印象を見せて後が悪い印象を見せるとより好感度が下がります。
例えば
真面目そうになのにすぐキレる人だった
優しい人だと思っていた人が陰口ばっかり言っている
仕事が出来るのに私生活がわかったときにかなりだらしない
カッコイイのに人の話を全く聞かない
このように悪いところがわかってしまうと周囲はがっかりしてしまいます。
ゲインロス効果は使い方によってはより良い印象と悪い印象を植え付ける事が出来るのです。

ゲインロス効果を使いこなす

ゲインロス効果を使いこなすにはまず自分の印象や評価をわざと下げておくといいでしょう。
人間はどうしても承認欲求があり自分の強みを出して他人にアピールしてしまいがちです。
最初にその強みを出してしまって、特に印象が変わらないのと、自分の印象を下げておいて後に強み発揮するのでは他人に与える印象は格段に良くなります。
自分を磨いていくことを忘れずに

ゲインロス効果をわかったうえで使うには、自分の弱みを少しづつ消していき、自分を磨いていけばいいのです。
- 表現力が苦手だったが伝わるような話し方をを学んで上手に伝えるようになった。
- 私服がダサかったがファッションの勉強をして着こなせるようになった
- 感情的になりやすかったが落ち着きを取り戻す方法を学んだ
このように小手先のテクニックでいい印象を与えるのもいいですが、自分磨き、少しづつ変化すすことによって根強いゲインロス効果を出すことが出来ます。
まずは読書をして思考を深め、人間的に大きくなるのがオススメです。
自分の磨きかた学ぶことを始めることが一番です。
少し時間はかかりますが、日々の積み重ねによって、友達や昔の知人に会ったときにこのゲインロス効果を発揮し、好感を持たれることは間違いないでしょう。
この自分磨きは一生のスキルですので自分の根底で変わることが出来ます。
まとめ

ゲインロス効果とはマイナスの印象からプラスの印象を与えることにより印象の振り幅が大きくなり好印象を与えることが出来る心理効果です。
まずは自分の評価を意図的に少し下げておくことにより、後にプラスのイメージを与えるといい。
現代でも使える「ギャップ萌え」はゲインロス効果によるもの。
小手先のテクニックだけではなく日々の自分磨きを行うことで、深みのある人間になり相手には大きなゲインロス効果が働き、好印象を与えることが出来る。
逆に最初に良い印象だった場合後の悪い印象もゲインロス効果が働き悪い印象が大きくなるので注意!!